アーカイブ

‘書籍・雑誌’ カテゴリーのアーカイブ

「スティーブ・ジョブズ」を読んで

2011 年 11 月 11 日 コメントはありません

先月、スティーブ・ウォズニアックと共同でアップル社(昔はアップルコンピュータ社だった)を興したスティーブ・ジョブズが亡くなると、書店はいわゆる「ジョブズ本」で溢れた。経済誌やIT月刊誌も特集したのでこの1ヶ月ちょっとは、スティーブ・ジョブズが表紙の本で書店はジャックされたも同然だ。

ところで、こんな声も聞く。

「あの本屋さんに並んだ、スティーブ・ジョブって何者?」

今時の若者やビジネスマンならiPhoneを知らない人はいないと思うし、iPhoneやiPodを持っている人も多いと思うが、その会社のCEOが誰かなんて知らなくて当然かもしれない。私は子供の頃からマイコン・オタク(昔はマニアといった)だったので、当時の雑誌等で若いスティーブ・ジョブズの写真も話も知っていた。それもマイクロソフトのビル・ゲイツとセットで知っていた。そういうものだった。そういえばあの頃はスティーブではなく「スティーブン・ジョブズ」とカタカナでは書かれていたような気もするが自信はない。だってもう30年も昔の話なのだ。

ジョブズ本の主役ともいえる、故人の公式自伝は、彼の死に合わせて発売されたわけではなく、以前から今年の11月に発売されることになっていて、本人も生前知っていた。この本を読めば分かるが、自伝を書かせたのはスティーブ・ジョブズ本人なのだから。それが不幸にも2011年10月5日にジョブズが亡くなると、少しだけ出版日が早くなり、10月末に店頭に並んだ。日本では1巻と2巻の2冊になり、翻訳後合計で900ページ近いボリュームになっていた。私は熱烈なジョブズの信者ではないが、彼とビル・ゲイツは昔からのヒーローに違いはないので、すぐに2冊とも購入して1週間で読了した。

翻訳本なので「バター臭い」かもと先入観を持って読み始めたが、そんなことはなかった。取材に基づく事実が淡々と並んでいるだけで、非常に読みやすい本だと思った。しかし、とても個性の強い(といっておく)ジョブズの性格に起因するモノ作りの顛末記が、まるでスパイラルのように連続する話の中身に、私にとって目新しい発見はなかった。同時代を生きていたし、私も以前は、規模の大小はさておき、あちらの世界に従事していたので当たり前なのかもしれない。

それでもスティーブ・ジョブズはパーソナル・コンピュータ時代をつくり、音楽業界や携帯電話、そして出版の世界までをiPod/iPhone/iPadで変え、最後には自らが創造したはずのパーソナル・コンピュータ時代に引導を渡した「偉人」として記憶されることに間違いはないだろう。そういう意味で、あまりバイアスのかかっていない良書、スティーブ・ジョブズ入門書と言えるのかもしれない。合掌。

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 「スティーブ・ジョブズ」を読んで
Bookmark this on Google Bookmarks
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on Facebook

カテゴリー: 書籍・雑誌 タグ: